2013年4月18日木曜日

「草枕」の舞台ー小天旅行記(2)


玉名駅からバスで30分ほどで小天温泉に到着した。私がとりあえずの目的地としていた草枕温泉てんすい行きのバスは一日に2本しかなく、午前便はすでに出た後だったので、とりあえず小天温泉というバス停で降りればなんとかなるだろうと考えていたのだが、小天温泉のバス停は山の麓にあり、草枕温泉は山の中腹にあったので、ちょっとした登山状態で正直こんなところに一人で来るのは間違いだったかも、と少し後悔しながら山を登ってやっと温泉にたどり着いた。

お腹が空いたのでお食事どころで適当なものを注文したが、そこで出された水が本当に美味しくて、カルキの匂いの一切しない天然の湧き水そのものの味で、それだけでここまで来た甲斐があったと本当に思った。温泉の湯もそこまで期待してはいなかったのだが、予想外に泉質がよく洗面所の手洗いの水までぬるぬるすべすべとしていた。天水町というだけあって本当に水が素晴らしかった。

その後山を下りながら、草枕の舞台となった「前田家別邸」や草枕と小天の歴史資料館である「草枕交流館」などを見学した。女性一人でここを訪れる人が珍しいのか交流館の職員の人から不思議そうな目で見られ、色々と親切に解説をしてもらった。
前田家の人々と中国の辛亥革命とのつながりは詳しい事は草枕の背景・前田一族を参照してもらうとして、資料館の中に孫文や黄興の残した書などもあり、私もつい先日「1911」という映画を見たばかりだったので、映画の中で黄興の役をジャッキー・チェンが演じていたのを思い出した。

職員の人が「孫文は日本でも有名ですけど、黄興はあまり有名ではないですね。黄興はNo.2だったんですよ。」という話をされたので、「黄興の役をジャッキー・チェンがやっていましたよね。」という話をすると、職員の女性の方の目が急にぱっと輝き「あ、あの映画みられましたか?」と話が盛り上がり、ちょうど2年前の2011年が辛亥革命からちょうど100周年の記念にあたり町にとっては色々イベント等で盛り上がりのチャンスだったのだが、長崎のほうが宣伝がうまく先に盛り上がってしまったので、こっちは盛り上がり損ねました、みたいな事を言っていた。

「1911」は中国政府が辛亥革命100周年を記念して制作した映画だが、もちろん話は中国中心に描かれているので、日本にそのような革命の支援者たちがいたことや、日本に留学した人たちもたくさんいたことなどは全く描かれていないが、私財を投げうってまで隣国の革命に協力していたある意味国境を越えた人間愛を実践していた人達がいた事に色々と考えさせられるのも事実である。


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